塾なしで私立中学受験に合格できる?必要な問題集や参考書や教材、勉強時間やスケジュール!
投稿日:2020/05/15
更新日:2022/04/11
目次
塾なしで私立中学受験に合格できる?
中学受験を控えている小学生の中には、塾に通うべきかどうか悩んでいる方もいるのではないでしょうか。特に名門の私立中学校を受験する場合、学習塾に通うべきなのかどうか迷うかもしれませんね。
結論としては、塾なしで私立中学受験しても合格は可能です。受験生の中には、塾に一度も通わずに進学校に合格しているような学生もいるからです。
ただし、そのようなお子さんはもともと学習習慣が身についていたり、効率的な勉強が自立して行えるタイプが多いです。自分で学習する習慣がついていない方や、効率よく学習するノウハウがない方だと、塾なしで中学受験で合格を目指すのは難しくなるでしょう。
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塾なしで中学受験をするメリット
お金がかからない
塾に通うためには、もちろん授業のコマ数によって毎月1~4万円程度の学費がかかることになります。家庭の経済状況によっては、お子さんを塾に通わせる費用の負担が大きくなってしまうこともあります。
しかし、独学する場合であれば参考書代や過去問代しかかからないというメリットがあります。経済的な余裕がなく、塾にかかる学費をどうしても抑えたい場合には、教材だけを購入して独学で学力アップを目指すという方法もあります。
通塾の時間がかからない
塾に通わず家庭で学習するのであれば、通塾のためにかかる時間をなくすこともできます。通塾するのに電車を使ったり、片道30分かけて通塾しているような生徒と比べると、その分を勉強時間に回すことができるメリットがあります。
近所に通いやすい塾がなかったり、通塾時間を学習に回したい方は塾なしで学習してみるのも良いでしょう。
友達との無駄なおしゃべりなどがない
塾で一緒に学習する友達やライバルを作って刺激を与え合うのは良いことですが、勉強そっちのけで無駄なおしゃべりだけするような友達との時間は無駄であり避けるべきです。
塾なしの独学であれば友達とおしゃべりをして時間を浪費するようなことがなく、お子さんのタイプによっては塾よりも集中しやすいこともあります。
自分のペースで学習できる
塾では学習進度がお子さんの状況に合っておらず、すでに理解できている分野や現在のレベルに合っていない授業が行われることもあります。
しかし独学の場合であれば、今のお子さんが必要としている勉強だけをすれば良いので、せっかくの学習時間を無駄にしてしまうことがありません。
自分のペースに合った学習を進めたいというタイプのお子さんであれば、塾に通わせるよりもマイペースにできる独学の方が向いていることもあります。
他の習い事に専念できる
塾に通わず家庭で学習すれば、他の習い事に専念することができます。小学生の時期の習い事には、さまざまな経験を通して良い刺激を受けられるというメリットがあります。
さまざまな習い事をすれば、子どもの適性や好きなこと・嫌いなことがわかり、子どもの将来の可能性を広げることができるでしょう。学校とは違う年齢層の仲間が集まるため、コミュニケーション能力を向上させられるメリットもあります。
また、検定試験や発表会などの目標に向かって頑張る力は、中学受験、高校受験勉強にも大いに役立つでしょう。さらに、スポーツ系の習い事であれば、運動不足解消、丈夫な体づくりができることも大きなメリットと言えます。
塾に通わないことで、このような習い事ならではのメリットが得られることは大きな魅力と言えるでしょう。
塾なしで中学受験をするデメリット
体系的な学習ができない
塾に行けば、先生の授業によって各分野を体系的に学ぶことができます。しかし、独学だと問題の背景や分野ごとのつながりがわかりにくくなってしまい、応用力がつきにくいというデメリットがあります。
各分野のつながりや応用力が身についていないと、基本的な問題は解けても難度の高い問題にはまったく対応できないといった問題が起こります。体系的な学習ができないと、塾なしで受験に必要な学力を身につけることは難しいと言えるでしょう。
成績アップのノウハウがない
指導経験の豊富な塾では数千人、数万人などの指導実績があり、「これをやれば成績がこのくらい伸びる」というノウハウにもとづいた指導を行っています。そのため、個人差はありますが、塾に通うことである程度は成績が伸びることが保証されています。
しかし、独学だとどのような学習をどのくらい行えば成績が伸びるのかがわかりにくく、やり方によっては上手く成績を伸ばすことができない場合も多いです。
また、学校の勉強はあくまで教育課程に沿った内容を指導するだけであるため、塾のような受験対策はしてくれません。それどころか公立の小学校に通っている場合、授業を妨げるような生徒がいたら、十分な学習ができないケースも考えられます。
「受験対策に特化した学習がしたい」「効率良く学習したい」という方にとって、塾なしでは学習ノウハウや受験に関しての知識が少なく、厳しいものとなるでしょう。
学習習慣が身につきにくい
小学生にとっては、学習する習慣を身につけることが成績アップの第一歩となります。そのため、早いうちから塾に通うことによって、自然と学習習慣が身につくという利点があります。
しかし、塾に行かないと自分の意思だけで学習に取り組まなければならず、自然に学習習慣をつけることは難しくなってしまいます。学習習慣が定着していないと学力を伸ばすことも厳しく、なかなか成績が上がらない原因となることもあります。
受験情報が圧倒的に少ない
塾では勉強を教えてもらえるだけでなく、受験情報を提供してもらえるという大きなメリットがあります。塾を利用していれば、お子さんの成績や志望校の出題傾向など、圧倒的な受験情報から合格に必要な学習を逆算して、適宜カリキュラムに加えてもらうことができます。
逆に塾に通っていない場合、お子さんの保護者が志望校の情報収集や資料請求、学校説明会の日程調査などの受験情報を積極的に取りに行かなければならないことになります。
受験に関しての情報収集は非常に手間がかかり、中には塾ではない個人では収集することが難しいような情報もあります。受験情報が少ないということは、それだけ受験でも不利になってしまうことが多くなります。
学習モチベーションの管理が難しい
塾なしだと、学習に対してのモチベーションを保つことが難しくなるケースが多いです。塾に通っていれば、他の生徒と一緒に学習することで切磋琢磨しながら学習に取り組むことができますが、塾に通わないと学習のライバルができずモチベーション管理が難しくなってしまいます。
また学習へのモチベーション維持が苦手な方だと学習を続けることができず、成績を落としてしまうおそれがあります。モチベーション管理の面でも塾なしはデメリットが大きいです。
質問先や相談先がない
塾に通っていないと、当然のことですが学習に関して相談したり質問したりする相手がいなくなります。勉強でわからないことがあったときにも質問をすることができず、わからないことがわからないままになってしまいがちです。
また、学習方法や受験に関する不安などがあっても相談先がないため、不安を残したままで学習や受験に取り組むことになってしまいます。安心して学習に集中したい方には、塾を利用することをおすすめします。
塾なしで成績アップや志望校合格できる人の特徴
学習習慣が身についている
「学校から帰ったら必ず1日2時間自習する」など、すでに学習習慣が身についている学生は塾に通わなくても好成績を残しやすい傾向にあります。毎日の学習によって着実に成績を上げていくことができるタイプです。
このように、すでに学習習慣が定着している場合であれば、自分の力だけで十分な学習時間を確保することができ、成績アップを実現しやすいです。
学習法が確立している
学校のテストで1番をとるなどの成功体験を積むことで、「この時期にこのくらいの勉強をすれば結果が出る」という自分なりの「勉強の勝ちパターン」を確立できます。そのような方であれば、塾なしでも成績アップや志望校合格が期待できます。
自分なりの学習法が確立した状態になれば、塾に通わなくても自分でそのときどきの適切な勉強をすることができ、結果を出すことができます。効率の良い方法を確立している方であれば、塾よりも効果的です。
感情やモチベーションをセルフコントロールできる
周りに言われなくても誰に見られてなくても学習できるタイプのお子さんであれば、塾に通わなくても自分で学習を進めていくことができます。
また、集中力が切れたときの自分なりのリフレッシュ方法や、気持ちを前向きにするための方法が身についているお子さんであれば、学習へのモチベーションを維持しやすいので成績が伸びやすいです。
このように自分の感情やモチベーションをきちんと制御できるタイプなら、塾なしでも十分に学力アップが見込めます。
モチベーションには、三種類あります。
① 達成的モチベーション・・・評価がある場合です。
② 内発的モチベーション・・・好奇心や自発的な関心に基づくものです。
③ 外発的モチベーション・・・義務、賞罰、強制などがある場合です。子どもの好奇心は、内発的モチベーションです。
(中略)
内発的モチベーションが強ければ、自分で目標を設定し達成します。
内発的モチベーションと学校の勉強がうまく結び付くと、
何も言わなくても自分で勉強し目標を達成するようになります。達成的モチベーションや外発的モチベーションによって学校の勉強をする場合は、
目標を達成したり、義務、賞罰、強制がなくなると勉強しなくなります。
家族がお子さんの個性を尊重し勉強を教えられる
家族がお子さんの個性を尊重し勉強を教えられるという場合は、塾に通わなくても成績アップや志望校合格を目指すことができます。そのためには、家族が協力的であることが前提です。お子さんの個性を尊重した上で、塾の先生の代わりに親が学習管理をすることになります。
ただし、お子さんに勉強を教えることに難しさを感じる方は多いでしょう。高学年になると難易度が上がるため、親自身も勉強する必要が出てきます。受験対策のノウハウも勉強しなければなりません。
さらに、お子さんのやる気を引き出すような指導力も求められます。仕事や家事の合間をぬって指導することは、容易なことではないでしょう。
そのような難しさを感じた場合は、塾や家庭教師などプロの先生に任せた方が賢明と言えます。
塾なしでは成績アップや志望校合格が見込めない人の特徴
勉強が楽しいと感じていない
勉強が楽しいと感じられない人は、塾なしで成績アップや志望校合格を目指すのは難しいです。小学生の場合、勉強を楽しいと感じることが一番大事です。楽しいと感じられない状態では、自主的に勉強する気持ちにはなりません。嫌々ながら勉強するため、なかなか成績アップにつながらないでしょう。
一方で塾では、勉強の楽しさも教えてくれます。丁寧な指導で勉強がわかる面白さを体験させたり、目標を達成する喜びを教えることで、子どもが勉強に楽しさを見出せるように導いてくれます。勉強が楽しくなれば、自主的に取り組むことができ、成績はどんどん伸びていくでしょう。
遊びやゲームなどの誘惑に勝てない
遊びやゲームなどの誘惑に勝てない人も、塾なしで成績アップや志望校合格は見込めません。
小学生にとって、自宅はゲーム、テレビ、おもちゃなどの誘惑が溢れているため、勉強に集中するのが難しい環境と言えます。「勉強=遊びを我慢しなければならない」というネガティブな感情ばかりが大きくなってしまい、勉強嫌いになるケースも少なくありません。
そのようなタイプの人は、誘惑がなく勉強に集中する環境が整っている塾に通った方が、スムーズに勉強に取り組めるでしょう。自宅では自由に遊ぶというメリハリがつくことで、勉強に対するストレスが軽減される効果もあります。
難関中学を狙っている
難関中学を狙っている人も、塾なしで志望校対策をするのはなかなか難しいです。
中学受験は情報戦であり、特に難関中学は入試情報を入手することが大切になります。しかし、「どんな情報が必要なのか」「どうやってその情報を得れば良いのか」ということがわかりにくいでしょう。塾なしで難関中学に関する十分な情報を集めるのは非常に大変です。
塾には難関中学についての詳しい知識を持つ講師が、志望校に必要な情報を的確に収集しています。塾に通えば、そのような情報を得ることができるので、最短距離で難関中学合格を目指すことができるでしょう。
塾なしで中学受験するのに必要な勉強時間や自宅学習のスケジュール
塾なしで中学受験をするのに必要な、小学6年生の勉強時間や自宅学習のスケジュールはどんなものかご紹介します。なお今回ご紹介するのはあくまで一般論であり一例ですので、自分の得意科目や苦手科目、現在の学力レベルや志望校などにも合わせて、勉強時間やスケジュールは調整するようにしましょう。
勉強時間
塾なしで中学受験に合格するのに必要な勉強時間は、平日で「2時間」、土日で「5時間」とされています。もちろんこの数字には個人差があり、この時間勉強しても合格できないこともあれば、これより少ない勉強時間で合格を勝ち取れる場合もあります。
曜日 | 勉強時間 |
---|---|
平日 | 2時間 |
土日 | 5時間 |
しかし一般的には平日2時間、土日5時間の勉強時間が必要であり、小学生のお子さんは、この学習量を確保することで自然と学習習慣が身につき、勉強が好きになるとも言われています。
なお、この時間には学校の授業の時間は含みませんので、自習時間のみで上記の勉強時間を確保するように心がけましょう。
スケジュール
塾なしで中学受験するのに必要な勉強スケジュールはどのようなものかご紹介します。ここでは、平日と土日の学習スケジュール例について見ていきましょう。
平日の学習スケジュール
時間帯 | 行動 |
---|---|
〜16:30 | 学校 |
16:30〜17:10 | 勉強(国語) |
17:20〜18:00 | 勉強(算数) |
18:00〜19:00 | 夕ごはん、休憩 |
19:00〜19:30 | お風呂 |
19:30〜20:10 | 勉強(社会) |
20:30〜 | 就寝 |
平日は、学校帰りにまず30分と40分でそれぞれ国語と算数の勉強をします。その後夕ご飯や休憩、お風呂を挟んで、40分間社会の勉強をします。その後就寝し、平日の合計勉強時間2時間を確保できます。
学校の授業や遊びで疲れたとしても、1日2時間の勉強をコツコツ積み重ねられるかどうかで、中学受験の合否が大きく変わってきます。
土日の学習スケジュール
時間帯 | 行動 |
---|---|
8:00〜9:00 | 起床、朝ごはん |
9:00〜10:10 | 勉強(国語) |
10:20〜11:20 | 勉強(算数) |
11:30〜12:00 | 勉強(理科) |
12:10〜12:50 | 昼ごはん、休憩 |
13:00〜13:50 | 勉強(社会) |
14:00〜16:30 | 遊び、自由時間 |
17:10〜18:00 | 勉強(国語) |
18:00〜19:00 | 夕ごはん、休憩 |
19:00〜19:30 | お風呂 |
19:30〜20:10 | 勉強(算数) |
20:30〜 | 就寝 |
土日は、まず規則正しく8時には起きるようにしましょう。その後、国語や算数、理科について、午前中だけで2時間40分の勉強をします。
昼ごはんや休憩を挟んで、50分間社会を勉強します。その後友達と遊んだり、自由時間で十分にリフレッシュをしましょう。
帰ってきたら、国語を50分間学びます。夕ご飯や休憩、お風呂を済ませ、就寝前に40分算数の勉強をして終了です。午後の勉強時間は2時間20分となり、5時間の勉強時間を確保できています。
土日に5時間の勉強時間を確保するには、「早起きして午前中に2時間以上の勉強をすること」「遊びの時間や帰宅時間を決め、帰ってきたら勉強に取り組むこと」の2点を意識するのがポイントです。
塾なしで中学受験するのに必要な問題集や参考書などの教材
塾なしで中学受験するには、適切な問題集や参考書などの教材選びが欠かせません。一例ではありますが、中学受験におすすめの教材をご紹介します。
国語
中学受験国語 記述問題の徹底攻略
国語の記述問題を対策できる参考書です。学校ではなかなか対策できない記述式問題について模擬授業形式で詳しく解説してくれるので、納得しながら勧められる教材です。
ふくしま式「本当の国語力」が身につく問題集
「国語の問題集と言えば読解問題集」という常識をくつがえし、「国語力=論理的思考」と考えるのがこの本の基本コンセプトです。読解力、作文力、対話力をばらばらに鍛えるのではなく、まとめて一気に鍛えることができるのでおすすめです。
算数
中学入試 算数 塾技100 新装版
中学受験で使える算数のワザを紹介しています。現役のカリスマ塾講師が執筆しているので、本当に使える受験頻出の技を効率よく覚えることができます。
中学入試基礎ドリ 算数
「覚える」→」「確認する」→「時間内にやる」→「入試問題に挑戦」と違った視点で4回繰り返し演習することで、中学入試に必要な基礎力を身につける問題集です。実際の入試問題の中から出やすい問題を厳選しているので、実践的な演習ができる点もおすすめです。
理科
中学受験 すらすら解ける魔法ワザ 理科・計算問題
中学受験の理科において、特に知っておくべき大切なポイントを押さえた問題集です。計算問題に苦手意識がある方は必見です。
小学総合的研究わかる理科問題集
中学入試に必要な知識を、「①要点確認」「②基礎力アップ問題」「③実力アップ問題」という3ステップで勉強する問題集です。基礎的な問題から、ハイレベルな問題まで網羅しているので、中学入試で求められる思考力を鍛えることもできるでしょう。
社会
2021年度受験用 中学入学試験問題集 社会編
2020年度のあらゆる私立中学の入試問題から抜粋して掲載しています。首都圏の有名国立中学、私立中学はだいたい押さえているので、これ一冊で大幅な学力アップが期待できます。
中学入試 でる順過去問 社会 合格への1008問
近年の中学入試における、頻出度の高い問題を厳選した問題集です。単元ごとに、「まとめページ→重要語句チェック→入試問題チャレンジ」と段階を踏んで進められるので、無理なくスムーズに取り組むことができるでしょう。
【まとめ】塾なしで成功できるお子さんはごくわずか
ここまでに解説したことをまとめると、塾に通わなくても成績アップや志望校合格を目指すことは可能ですが、実際にそれができるお子さんは非常に限られています。ほとんどのお子さんの場合、塾に通った方が効率よく学習でき、最短で志望校合格に近づくことができます。
また、塾に通わなくても結果を出せるのは、すでに優秀で学習習慣や学習法が確立しているごくわずかの生徒に限られています。
そのため、成績が思うように上がらないお子さんや、勉強の型がまだ身についていないようなお子さんであれば、いくつかの塾の資料請求や体験授業を通じて自分に合った塾を選ぶべきです。無理に独学にこだわらず、なるべく塾を利用することをおすすめします。
また、おすすめの学習塾ランキングについて知りたい方は「【学習塾人気ランキング】中学受験・高校受験でおすすめの有名塾や進学塾を比較!」も参考にしてください。